ずっと気になっていることがありましたので、それについて書きます。
"Agent Double-O Soul"といえばジェームズ・ボンド映画にインスパイアされた(便乗した?)、エドウィン・スター大先生のデトロイト発ヒット曲(なんてすばらしいタイトルでしょう、あ、もちろん曲もメッチャかっこいいです)。
ゼロゼロ・セブンならぬゼロゼロ・ソウルということで、ノーザンソウル好きでスパイ映画も好きな自分にとっては、各段思い入れの強い曲であります。
ちなみに英国にあるエドウィン・スター大先生のお墓には「OUR AGENT DOUBLE-O
SOUL」の文字が・・・泣けるぜ。
あとボンド映画インスパイアといえば、NYのグループ、レックス・ギャーヴィン&マイティ・クレイヴァースによるヒット曲”Sock It To ‘EM J.B.”もあります。曲の間に「ドクターノー!」やら「ゴールドフィンガー!」やらボンド映画のタイトルを叫ぶ。スペシャルズがカバーしたのでも有名ですね。
”JB”は、2人のJB、ジェームズ・ボンドとジェームズ・ブラウンをかけてるのではないかと思います。
どちらもヒットした有名な曲ですが、今回はそうでない例の話。
ヒットどころか当時未発表の音源の話です。
「裏」デトロイトの女性シンガーが同じようにスパイ映画からインスパイアされた曲を録音しているのがずっと気になっています。
まず有名なのがデトロイトの才女、ロレイン・チャンドラーのこれ。
曲名は「007は二度死ぬ」の原題と同じで、曲も明らかに「007」シリーズの音楽(byジョン・バリー)を意識したものです(ちなみに「二度死ぬ」ではナンシー・シナトラが同じタイトルの主題歌を歌ってますがそれとは同名異曲)。英KENTレーベルのエディ・クロースデルがRCAの未発表音源から発見した最高にカッコイイ未発表曲。
1月のヌードレストランで、DJデイビッド・フリン氏が一曲目にこの曲のアセテート盤(!!)をプレイしてて、音めっちゃいいし、震えながら踊りました。
RCAからの未発表ノーザンはKENTのコンピレーション”Rare Collectable and Soulful”で聴けます。「これが未発表曲・・・・」って愕然とするくらいいい曲揃いなので持ってない方はぜひ手に入れてください。
で、映画の「二度死ぬ」のほうは日本が舞台で、ボンド・ガールに東宝の浜美枝と若林映子が出演、ボンド・カーはトヨタ2000GTと、60年代を愛する者にとっては夢のような映画です。
が、その一方でボンドを支援する日本の地下組織のリーダーが丹波哲郎なのはいいとしても、そのメンバーが忍者だし、ボンドが整形手術をし日本の漁師に化けて(あまり変化がない)敵のアジトのある島に潜入とか、どう考えても無理があるだろ!と突っ込みどころ満載、60sボンド映画の中では群を抜く知能指数の低さになっているのは特にマニアでなくとも有名な話かと思います。うーん、なんでこの映画で曲を作ったんだろ??
そしてもう一曲。最近英SOUL JUNCTIONレーベルから7インチがカットされたベティ・ブー(元The Adorables)のこれが、ジェームズ・コバーン主演「電撃フリント GO!GO!(原題"OUR MAN FLINT")」にインスパイアされた曲であろうことはタイトルから一目瞭然。
スパイ映画ブームの時にわいて出てきた二匹目、三匹目のドジョウ映画のひとつですが、なんでそんな映画で曲作ったんだろ・・・これも未発表音源。SOUL JUNCTIONによれば「映画の挿入歌に使われるのを狙ったのでは?」とあるけどどうでしょう??たぶん勝手に作った曲だと思います。
「われらがフリント」に対し「わたしのフリント」という、独占欲の強い女性の自我をうたった曲です(たぶん)。「電撃フリント」は本当にムチャクチャで、ユルい、脱力映画だったけどそれなりに愛すべき映画であった記憶。60年代のスパイ映画(に限らずアクション映画全般)は、広い心を持って接しましょう。
ジェームズ・ボンドが英国人で、基本的には英国紳士なキャラなのに対し、フリントはアメリカ人で陽性のプレイボーイだった。そういう人はスパイに向いてるだろうか??"U.N.C.L.E."もリメイクしたことだし次はこれいかがでしょうか。
余談ですがベティ・ブーはもちろんステージ・ネーム(本名はベティ・ウィンストン)で、由来は生まれたばかりの時に、赤ん坊の彼女を見た母親が「こんなに胸の大きい赤ん坊はじめて見たわ!!」と驚いたことから、子供のころからずっとこのあだ名だったとか・・・画像を探してもこれしか見つからないので是非、バスト部も写った写真を誰か、見つけて!!
ちなみに元SENSATIONSのイヴォンヌ・ベイカーによるノーザンクラシックのこれは、フィリー録音ですが曲調からしてすごい007ぽいのはなんでなんだろう。
タイトルもなんかそれっぽい。なんにせよ、あのジョン・バリーの旋律の感じはノーザンソウルにすごくはまるんです。デトロイトやフィラデルフィアのソウルミュージックはモッドに人気の音楽でしたが、スパイ映画もそうだし、その二つがコラボレーションしているのは大変おもしろいなと思います。
ところでイヴォンヌ・ベイカーはフィリーで活躍したシンガーですが、先に登場したロレイン・チャンドラーが所属したPIED PIPER PRODUCTIONによるこれを録音しており、明らかになっていないデトロイト=フィリーコネクションがあるに違いないと睨んでいます。ムム、なんだかほんとうにスパイ映画じみてきました(地味だな!!)。
というわけで大好きなノーザンソウルを映画と絡めてみましたが「こんなのあるよ」って話にしかならずまったく発展性がない、たはは。
まあいえるのは、こんなの今勝手にやろうとしてもキャラクター使用料だとかって話になって、きっと無理でしょう。
ああ60年代!なんてのどかな時代。
以上です。最近映画ぜんぜん観れてなくて、ノーザンソウルとバイク・道路交通法のことしか考えてないんですが牛島兄弟「だれかの映画史」好評発売中なのでよろしくおねがいいたします。(宣伝というオチですみません)
4/2には、東横線・日吉にある和田食堂というところで開催のフリーマーケット”Music & World Bazaar”にて「北と南」ブースを出し、販売します。牛島弟の絵や、牛島兄のレコードも販売します。主催のカセットコンロスのワダマンボさんライブもあったり、とても楽しそうなので是非遊びに来てください。
そしてノーザンソウル情報!3/26日曜日はホームイベント”NIGHT FOX CLUB”の開催です!ゲストDJに「SWISS
SOUL CLUB」創設者のスイス人留学生トーマスが登場!
超ナイスガイなのでDJ本当に楽しみです。是非遊び来てください!
お待ちしております!!
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