せっかくですから最近ついに!手に入れたシングルのことでも紹介いたします。
THE CHARADES / THE KEY TO MY HAPPINESS
というわけで鉄壁のヌードレストランクラシック、THE CHARDES、キートゥマイハピネス!!!!!
もう、この曲は凄い、駄目です、これがかかったら最後、僕はもう駄目です。話してる相手が総理大臣だろうと大統領だろうと、そいつのことなんかほっぽり出してしまってウオーと叫びながらフロアに駆け寄って行きます。
とにかくスリリングなイントロ、そして熱狂、また熱狂。情熱。これぞノーザンソウル。今これを書いている私も拳を握り締めております。レーベルのMGMライオンが神の使いに見えるようになってきたらあなたももうNorthern Souljerです。
もともとCHARADESというドゥーワップのグループがあり(たまにシングル見かけますので、そこそこヒットしたグループなんだと思います)、このCHARADESもそのグループがモータウン大流行の時にノーザンソウルスタイルで録音したのかなと思っていましたがちょっと事情は違うようです。
そのドゥーワップのCHARADESが再起をかけてMGMと契約しようとしたが、グループ側が契約条件を飲まず、レーベルはNYの謎の新人グループをCHARADESとして契約した、と資料にはあります。どういうことなんでしょう。そんなことあんのかな。いくら大手レーベルとはいえそんな暴挙が許されるとは思えない。俺の資料の訳し方がおかしいのだろうか・・・
まあ当時の黒人芸能界というのもウソハッタリがまかり通っておりましたから、小ヒットを飛ばしてそこそこ有名なグループの名前を借りて、でも実情はまったく違うグループというのもありそうな話ではあります。
とにかくそのドゥーワップの中堅グループとは、このMGMのCHARADESは同名異グループなのは間違いなさそうです。
この曲のプロデューサーはTom Wilson、このCHARADESの前にはコロンビアでボブ・ディランやバーズ、サイモン&ガーファンクルをプロデュースし、その後Verve(VerveはMGMの系列レーベル)にてフランク・ザッパやヴェルヴェット・アンダーグラウンドも手掛ける名プロデューサーです。そう言われると確かになんか変わった曲だなと思います。どこがどう変わってるのだといわれると説明しにくいのですが・・・
ノーザンソウルに関わっていたプロデューサーがその後、先鋭的な音のロックに関わるのはけっこうある気がします。ジェリー・ロスとかもノーザンソウルの後はサイケデリックをやったりしてるしなあ。
曲に話を戻すと、一言でいえばとてもプログレッシブな曲。1966年録音の曲ですが、とにかく同時代の黒人音楽にない新しさを感じます。かと思えば、「breaking through,breaking through」とか「going down,going down」とかのコーラス部分はドゥーワップらしさが残っています。
こういう不思議な曲があるからノーザンソウルはたまらない。
この曲に出会ったのはやはりヌードレストラン。何年か前の大阪モッズ・メーデーで売られていたDJイズミ氏選曲のCD「GOLD NORTHERN SOUL」にこの曲が収録されていました。
最初からいい曲だなとは思っていましたが、やはりイズミ氏のDJで聴いて、もう夢中になりましたね。自分が目撃したときは必ずこの曲がかかったのではないかと思います。とにかくフロアでのモンスター感が半端じゃないです。このイントロがかかったとたん、全てを放り出して踊りたくなります(実際そうしています)。
まさに題名どおり、「わたしの幸福への鍵」といった感じの曲です。
CHARADESはMGMにもう一枚シングル"I DON'T WANT TO LOSE YOU"があり、そちらもノーザンダンサー(注1)としてとても人気です。そっちはもっとシンプルなノーザンソウルですね。
ちなみにCHARADEって「滑稽な茶番」とか「偽装」とかいった意味。あまりいい言葉じゃない・・・あとジェスチャーゲームのこともCHARADEというそうなので、そこからとったのかもしれませんね。わたしなんかはオードリィ・ヘプバーンの映画の題名を思い出します。
このシングルがじぶんちのレコードボックスに収まっている。その事実だけでなんか嬉しくなってしまう、そんな曲です!
注1:「ノーザンダンサー」という言葉にはノーザンソウルで踊る人、ノーザンソウルのダンスを踊る人という意味もありますが、ノーザンソウルの曲そのものや、その曲のレコードのことをこう呼ぶこともあります。つまり、ダンサンブルな曲ということです。