2012年6月7日木曜日

仁義なきノーザンソウル

先週末は予告どおり、広島にDJしに行ってきました!



いやあ本当に楽しかったです。

もうタマンゴス級の楽しさでした(?)。

せっかくですから今回は、何回かに分けてレポートしたいと思います。



・・・まず、行くまでが大変でした!!!!

というのも、先月あたりから「初・広島でDJだ!地方だ!」と気合をいれたところ、ブルースリーの教えに従い何も考えずに感じるがままにちょこちょこレコードを買ってしまい、気付いたら広島までの旅費を払ったら今月分の家賃が払えなくなるという結果に・・・・・!!

まさか主催の方にギャラを前借するわけにもいかず(注:いくら僕でもそこまで非常識なことはしないです!)、ウーンどうしたものかと頭の中では常に「スーパーひとし君没収のテーマ」が鳴り響く状態に。

こんなとき、僕に唄を歌ったり、絵を描いたりする能力でもあれば、駅前でギターを弾きつつ、「この世界でふたり出会えた奇跡」等に関するなんか気の利いた唄を歌ったり、気の利いたイラストに「レコード買うさ にんげんだもの」とかそういう気の利いた文句を書いたりしたものを街頭販売したりしてお金を稼ぐことができたのに、と己の無芸無才ぶりを嘆くばかりです。

無芸無才の私には、もう売るものといったら血か貞操かレコードしかなかったため、ちょうど売り用のレコードがけっこう溜まっていたこともありレコードを売ることにしました。でディスクユ◎オンさんに先々週の日曜に持って行ったらなんと査定が終了するのが広島行き前日・・・

なんでこういつもギリギリなんだ、俺!オレ!

オ・レ!ともう「スーパーひとし君没収のテーマ」にあわせてフラメンコでも踊り出しそうなくらいに不安な気分になりましたがどうにか出発前日、査定がでて確認したら家賃を払った上に広島でなんかおいしいものを食べてくるくらいのお金にはなったので、一安心・・・。

無計画な支出生活を心から反省しました。でもまたやるだろうな。


というわけで初の広島、新幹線で神戸よりも西に行ったのは子供の頃に博多に帰ったとき以来(基本、飛行機で行ってました)のことでした。

4時間かけて正午に広島到着、まずは広島といえばコレ、広島電鉄に乗ってホテルに向かう。




まあ東京にも路面電車は都電荒川線というのがありますし、しかも自分が在籍してた大学のすぐ近くを通ってたもんですが大学にほとんど通ってなかったので乗ってなかった。いや一回女の子と一緒に乗ったかな・・・?



まあいいじゃないですか。でホテルにチェックインしてまずはここへ行きました。







中・高で修学旅行で行った方も多いと思いますが、恥ずかしながら私は行くのが初めてでした。





広電の駅前の本当すぐ近くに突然建っていたので、ちょっとびっくりしました。まあ元々の建物は、たとえば神殿のような特別な建物ではなかったのですからそれは当然のことなのですが、それがとても怖いと思った。

人類の歴史に残るような大量虐殺でもなんでも、日常の延長に突然現れるのだなと。

そしてそのまま平和記念公園へ行き、そのまま資料館へと足を運ぶのがあるべき道順ですが、今回は資料館はパスしました。またDJしないときにゆっくりと見学したいと思います。






そしてそのままてくてく歩いて、比治山公園のほうへ。

途中、ちょうど一年に一度の「とうかさん」という祭りがやっていて(あんなギリギリだったのによくホテルとれたもんだ・汗)、露店がいっぱい出ていました!ちょうど腹もすいてたしここでなんか食おうかなと思ったのですが、そこは男の一人旅。イカ焼きとかりんご飴とか夏祭りで男一人で食ってるのみっともなさすぎるし寂しいし嫌、という理由で却下。

あともう何年かすれば僕も抵抗なくひとりで恥じらいもなくイカ焼き食ってる男になってるかもしれません。





露店にはかなりデッカイのもあって、こんなおばけ屋敷とかもありました。なんか見世物小屋感が感じられて是非入りたかったのですがイカ焼きと同じ理由で却下。残念。


けっこう歩いてちょっともうしんどいなと思った頃に比治山公園(名前のとおり山が公園になってた)に到着。目的はここです。







わざわざ広島まで来て美術館に行くのもどうかという気がしますし、別段そこまでアートに思い入れがあるわけではないのですが、一人旅でも心置きなく楽しめるのって美術館か映画館くらいのもんだと思うんですよ。皆さん、どうですかね?

目当てはこの展示です。(画像は兵庫で開催したときのもの)




広島まで来て独りでアール・ブリュット・・・・。主催の方々には間違いなく「こいつ友達いないだろうなあ・・」と思われたことでしょうね・・・。


アール・ブリュットとはアカデミックな美術教育を受けていない人たちによるアートのことで、「アウトサイダー・アート」と紹介されることもあります。作者には心の病を抱えたひとたちが多く見られるのが特徴。個人的には「アウトサイダー・アート」という言葉のほうがなじみがあったのですが、この展覧会のことをそこらへんにくわしい弟に聞いてみたら「あ~アール・ブリュットね」と少しくんくんした感じで言われたのがなんか腹立ったのと、展覧会で美術評論家の人たちのコメントが「アウトサイダーアートはout、アール・ブリュットがin」みたいな感じだったので、これからはアール・ブリュットと呼ぶことにします!

今回のメインはアンナ・ゼマーンコヴァーというオバちゃんとルボシュ・プルニーという動物の死がいや解剖が好きなおっさんの作品。二人ともチェコ人です。

僕はプルニーさんの作品はまったく好みではなかったのでほとんど飛ばしました。血のついたガーゼとか自分のへそごまをコラージュした作品とかそんなバッチイものは厭です。一方ゼマーンコヴァーおばさんの作品は非常によかった。この方は植物、特にシダ植物?に対するオブセッションが非常に強かったのでしょうか、作品のほとんどが奇形の植物を描いたようなとても毒々しくも幻想的なものでした。ユイスマンスの「さかしま」でカルロス・デ・ゼッサントが部屋にコレクションしていた奇怪な植物は、あるいはこの人の作品のようなものだったのかもしれない。

ほかにもちょこっと他のアール・ブリュットの作家の作品が展示されており、その中にはヘンリー・ダーガーのものもありました。まさか広島まで来てヘンリー・ダーガーの絵を観ることになるとは・・・。

そうしてたら閉館時間になってしまった。アール・ブリュットの映画も上映されていてそれが凄く面白そうだったのですが最後らへんしか観れませんでした。なんか、世界はすべて自分が動かしていると思って一日中部屋でその日窓の外から見た出来事を詳細に、その人自身にしかわからない形体にて書き留めている男性(彼によれば、彼がそれをやめてしまうと世界が崩壊してしまうそうです)の部分だけ、観れました。


いろいろな人生がありますよね。


そんな感じでDJする前からなかなかハードに広島を満喫しました!


それではDJ編は次回「仁義なきノーザンソウル 広島死踊編」に続きます!












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