2012年12月12日水曜日

DOTS'n'LINE出演者紹介その⑤ GUEST DJ 関口弘(SWANK / 下北ナイトトレイン)

さてDOTS'n'LINEの出演者紹介も佳境にはいってまいりました。第五回はもう一人のスペシャルゲストDJの関口弘さんです!!




関口弘(SWANK/ 下北ナイトトレイン)

2006年に自らのイヴェント『SWANK』を発足。以降ニュージャージーのラジオ局WFMUのDJ、Dave The Spazz、ニューヨークは『Subway Soul Club』主宰のPhast Phreddie、オーストラリアの重鎮、Bruce Milneらと交流を深め、国内に留まらず活動中。昨年更に新企画『下北ナイト・トレイン』を立ち上げ、新鋭セレクターを発掘すると同時にシーンの活性化に意欲を燃やしている。本年5月には強豪Keb Dargeとの共演の際、高価なレコードを売りつけ本人を泣かせた逸話あり。著書(監修)にディスクガイド『Garage Punk』(シンコー・ミュージック刊)。自身で通販オンリーのウェブショップも運営中。http://shop.frathoprecords.com/



こうして関口さんを自分のイベントの出演者として紹介できることを本当に誇りに思います。



関口弘さんのお名前は僕はもう高校生の頃から知っていて、当時必ず書店で立ち読み(買ったことはないですすいません・・汗)していたパンク雑誌「DOLL」(廃刊になってしましましたね・・・なんて世の中だ!!・・・買ってなかったケド・・)によく関口さんのコラムが載っており、それはそれは非常にマニアックなシングル盤などが紹介されていたのですが、僕も文中に登場する単語が全っ然わからない(あたりまえ)なりに、コラムの中での関口さんの探究心・執着心の凄さに感服してよく読んでいました。

そして関口さんといえば、日本のガレージパンクのファンの間ではまさに聖書のような存在となっているシンコーミュージックのディスクガイドシリーズの一編、「GARAGE PUNK」(通称・赤本)を編纂された方でもあります。

これが出たのが僕が高校生の頃でした。今手元の赤本を見ると、2001年刊行とあります。ということは僕が18歳、高校三年生の頃か。

11年前。マジか



この本を書店で手にしたときの衝撃はいまだに忘れません。

その頃は日本で全国的にガレージが盛り上がっていた頃で(今ではあの頃を「ガレージバブル」なんていったりするみたいですが・・)、僕も福岡在住でしたがよく地元の小さなライブハウスにガレージのバンドのライブを観にいきました。思い出せるだけでもギターウルフ、MAD3、ギョガンレンズ、ガソリン、ちぇるしい、キングブラザーズ、HAVE NOT’Sとか覚えてます。現在も変わらず活動しているバンドやメンバーの方もいっぱいいますね。

また当時人気の絶頂だったミッシエルガンエレファントのメンバーがインタビューなどで自分たちの音楽を説明するのにたびたび「ガレージ」という言葉を用い、そして自分たちのバンド名を冠するTHEの古語である「THEE」が、英国のトラッシュガレージバンド、THEE HEADCOATSから由来していること、そしてかのバンドへのリスペクトを常に表明していたので、彼らの大ファンだった自分は自然と「ガレージ」という言葉が大いに気になっていた時でした。

赤本は、出たときすぐに発見したけどすぐには買わなかった、買うことができなかったのをハッキリ覚えている。学校の近くにあったデパート岩田屋の書籍売り場でこの本に出会った。すぐさま開いたその本の内容は、高校生には強烈すぎるものだった。あまりにもトラッシュで、ビザールで、ストレンジな世界。自分に親しみの深いブリティッシュビートや、アメリカのソニックスみたいな、いわゆるビートバンドなんかの紹介されるページはすぐに格好いいと思えたのですが、そのほかのページが当時の自分にはもう自分の今までの経験の範疇をこえるものだった。

具体的にいうと、たとえば名コンピレーションJUGLE EXOTICAのジャケットとか、TRASH WOMENの写真とか、あまりにも猥雑で、ゲテモノじみていて、当時の自分はハッキリ言って怖いというか、不安になったのを覚えている。

その不安をはっきり言葉に表すと、こうである。








「・・こんな音楽聴いてたら、人生おかしくなるんじゃないか?」





すぐに買うことのできなかった(まあ、あの頃はいろんな音楽を聞いてたのでお小遣い的にもきつかった)チキン野郎だった僕は、それでも内容はとても気になっていて、よく放課後岩田屋の書籍売り場で赤本を立ち読みし、うーんやっぱすげえと、頭がくらくらする感覚を今思うと楽しんでいたような(笑)

本を買ったのはだから大学にはいってからでしたが、やはり最初は白人のビートバンド系のページをよく読んでいたと思います。その後、よくある例にのっとって僕もそれらのビートバンドのルーツとなった黒人音楽へとのめりこむのですが、そうするとこの赤本の最初あたりのページが俄然面白くなってきたのを覚えてます。

この本には何人かの方がライターとして執筆に参加しておりますが、どの人もその人のカラーが出た文章でそれも面白い。

関口さんの文章はほかの執筆者の方に比べ、とても客観的で理知的な文章と感じることが多かったです。とても厳しい審美眼に基づき、厳選した音楽を紹介している印象がありました。そしてその中に時折とても鋭い一言があったりするのです。他の方の文章が、文章そのものが中身の音楽のようになっているのに対し(それも、最高なんですが今回はおいときます)、関口さんはあくまで理知的でした。「トラッシュ」という言葉が形容としてよく使われる音楽に対し、ただの好事家的視線ではなく、それらの音楽を上質な音楽として扱い、とても真摯に向かい合っている姿勢を感じました。それは、世間からは屑とみなされ無視されるものの中から黄金を見つけ出す人だけの持つ自負、自信からきているのだと思います。確かアンドレ・ウィリアムスの項にあった「優れた音楽の探求はとまらない。」という一言は忘れられません。


さて、前にMaruさんの紹介のときも触れましたが黒人音楽にのめりこんだ自分は、やがて当時のシングル盤の世界という魔窟にのめりこみ、順調に道を踏み外していくのですが、その時ヤフオクでいいシングルをよく出品していたのが関口さんだったのです。落札して、連絡先がきたら名前が「関口弘」でひっくり返るかと思いました(笑)

現在、関口さんはネットでのレコードショップを経営されています。レコードだけでなくアメリカ買い付けのビンテージ雑貨などもありますので必見!

Frathop Records↓

http://shop.frathoprecords.com/



そしてここ最近本当にうれしいことに我々とグッと距離が縮まりまして、それは現在関口さんが主催されているイベント「下北ナイトトレイン」のおかげだと思います。この「下北ナイトトレイン」、ここ最近はずっと行ってますが毎回すごい盛り上がりで今行くのが一番楽しいイベントです。

僕も9月の開催のときにゲストとして呼んでいただきましたが、その時に関口さんにブログでも紹介していただいて本当に光栄でした。今でも落ち込んだりするとこれを読み返して自分を励ましています(笑) ↓

http://blog.frathoprecords.com/?p=786



その下北ナイトトレインに初めて遊びに行ったときに目撃した関口さんのDJは本当に衝撃的でした。

赤本の文章で自分が抱いていた印象、理知的な様子はそこにはまったくなく、本当に楽しそうに、激しいアクションをまじえ、お客さんをロックするDJ関口さんの姿がそこにはありました。かけている音源もレアですごいのはもちろんですが、関口さん自身がその音楽と同じくらい、いやそれ以上にすごかった。まるで、俺より楽しんでるやつはいつか!?とお客さんに挑むような姿勢。これぞロックンロールDJだと感動し、興奮して家に帰る途中電車の乗る方面を間違え終電を逃したのも今ではいい思い出です。

ロックンロールというのは、楽器を持ってバンドを組むだけでなく、何かをとことん愛しぬき、追求していくことこそがロックンロールなのだと教わった気がしました。

だから、僕はDJやってます。バンドやるより、絶対カッコイイと思ってるからね!!

僕が追い求めているのはノーザンソウル、関口さんの専門とはまた異なる分野でありますが、関口さんの優れた音楽を探求する姿勢、僕も一生見習ってゆこうと思っています。



9月のナイトトレインの際は自分も力みすぎて思うように行かなかったので、そのリベンジも兼ねて、週末のDOTS'n'LINEでの共演本当に楽しみにしております!!!


というわけでDOTS'n'LINE開催はいよいよ週末土曜日です!!








 


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